つい先日ご来店されたファミリー。テキサスから来たとのこと。
オーダーを待っている間、そのファミリーは当店の内装や装飾品、
そして何より、店内でかかる音楽に興味津々なご様子。
テーブル席とキッチンでこのシンガーが好きか?とか、
なんだかんだと英語とわずかな日本語でやりとりが続けられ、
当店のバーガーを食し満足げな様子。
自分の英語力が貧弱なもので、正確なことはわからないが、
どうやら娘さんは現地ではけっこう有名なカントリーミュージックのシンガーだとのこと。
そんな話をしていると、帰り際、なんとかつたない日本語で伝えようとがんばるが伝わらない。
自分が呼び出され、話を聞くとなぜか店内の音楽をオフにして欲しいと。
そこで始まった、ほんの1分にも満たないアカペラのライブ。。。
正直、今までに味わったことの無い張り詰めた空気と、何かに包まれるような空間。
彼女が歌い終わった後に背筋を走る痺れのような、電気のようなもの。
有名なシンガーの大きなライブに行ったことがある自分も、
こんな感覚は初めてだった。
彼女が誰であるのか?有名なのか?そうではないのか?
そういうことはまったくもって関係ない。
自分たちが創り上げた唯一無二のここにあるCENTER4という店に足を踏み入れ、
そして全てを受け止め、そこに何かを感じてくれたこと。
それに対し、何かを返したい、贈りたいと思ってもらえた心が全てであり、
それが何ものにも変えがたい価値であると思うのです。
こんなこと以外にも当店では自分が飲食店というもので働いてきた中では
遭遇したことの無いものに多く遭遇する。
オーストラリアの方々が少しづつ置いていってくれたコアラたちは
今では、こんなファミリーに。
ロンドンから来たファミリーは連日ご来店され、
最後には5歳の息子さんが高山で買ってもらったものをプレゼントしてくれたり。
もちろんこういう形として残ってきたものばかりではない。
僕らの記憶の中、そして目には見えないであろう空気感のようなものにも、
いろいろな人との出会いやそこで生まれた忘れることのできない感覚が
しっかりと刻み込まれている。
こういったことが起こったり、感じることができたとき、
いつものごとくこんな言葉が頭を、心を駆け巡るのです。
「そんな人たちに出会え、感じてもらえるような店であったことに誇りを持て」
「それに恥じぬような自分であり、店でありたいと願うのだ」
「まだまだなんだ、もっともっと体と頭を動かし続けろ」 と。